曲面上の点の曲率に関する最も簡単な定義を知ろう


正四面体の頂点は正三角形が3つ合わさってできている。今、頂点を平面上にすとんと落とし、しかもこの3つの正三角形をばらばらにして、頂点の乗った平面上に並べてみると、その合計角度は3x60で180度にしかならない。平面上に落とした頂点のまわりをぐるっとまわるには360度分の図形が必要なのに、正四面体の頂点はどれも180度分しか、己の周りに図形がない。360度まであと180度分足りないという意味で、これを「正四面体の頂点の角度損失は180度です」という言い方をすることにしよう。

立方体の頂点の場合はどうだろう。立方体の場合は1つの頂点に3つの正方形が合わさってできている。正方形の角の角度は90度なので、立方体の頂点はどれをとってもその角度損失は360-90x3=90度であるということができそうだ。

ところで閉じた立体、正確には穴の開いていない閉じた立体、の全頂点の角度損失の和は必ず4π=720度となるということが知られている。ガウス・ボンネ(Gauss-Bonnet)の定理という名前がついているらしい。ちょっと確かめてみよう。正四面体の頂点は全部で4つなので、角度損失の総和は、4x180=720。たしかにそうだ。立方体の場合はどうだろう。立方体の頂点数は8つなので、角度損失総和は、8x90=720。たしかにあってる。どうやら間違いないようだ。
このことを使って逆に、正二十面体の頂点の数を計算してみよう。正二十面体の頂点数なんて覚えてる人はあまり居ないだろう、でも計算でこれを出してみよう。正二十面体の頂点には正三角形が5枚合わさってできているつまり角度損失は360-60x5=60度だ。。それさえ覚えていたなら十分だ。正二十面体は閉じているので角度損失の総和は720度。これを各頂点の角度損失60度で割ると、頂点数は12個だなとわかる。いかがだろうか正二十面体とはいっても頂点の数は12個なんだね。

サッカーボールはどうだろう。サッカーボールについてただ一つ覚えているのは、どの頂点も2つの正6角形と、1つの正五角形が合わさってできているということだ。その角度損失はどんなものだろうか。正6各形と正5角形の1頂点あたりの内角はそれぞれ、120度と108度なので、サッカーボール1頂点あたりの角度損失は、360-(120x2+108)=12度。よってサッカーボールの頂点の数はどうやら720/12 = 60個もあるということになるね。1頂点あたり、必ず1つの5角形の頂点となっているので、あの黒い5角形は全部で12個あるのかー、なんてこともわかってしまったね。

さてこの任意のポリゴン立体の頂点で考えてきた角度損失という概念、実はそのままそのポリゴン頂点における曲率という概念に直結しているんだ。ガウス曲率という名前がついているようだよ。というかよしこういうことを曲面上の曲率という概念にしましょうと考えた人がいたのかも知れないね。曲面上の曲率ってそんなに簡単なの?って思ってしまうのだが、ガウス曲率に関してはいかにもこんなに簡単な概念らしいよ。
つまり、「角度損失はそのまま、その頂点位置の、周囲からの突出度合いを表しているんじゃね」ってことなのかもね。
さて、話のついでだけど、半径1の球面の面積は4πであることが知られているよこれはどうしてだろうね?あーその答えは簡単には思いつかないな。思いつく人がいたら教えてくれないか!じゃっ!